恋が下手すぎ 続・千夜一夜その237

あの朝、私はあの人と行き違ったのだった。鈍行列車に揺られ車窓の漁村風景をぼんやりと見ているとメールがひょっこり届いて、それがほとんど忘れてしまうほどに音沙汰のないあの人で、焦がれている私をよそに今を書きまくっている。すれ違った特急列車の中からだった。その勝手気ままな猫のようなところが歯がゆいばかりで、しかも、私が好きになる人ってこんなふうに残念な性格の人ばかりなのだ。私は恋をするのが下手すぎるのだ

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