おとやんの手紙

おとやん と呼ぶ

おやじ、オヤジ というふうに呼ぶのを本や雑誌、新聞などで聞くが
私のところでは自分の父親のことを「オヤジ」とは呼ばない、言わない。
そんな言葉は辞書にないので、例えば「おやじの背中」なんてのはあれはどこぞよその地方の人の気取った言葉でしかない。

おとやん

そう呼ぶのが正しい。
しかし、友人などとの会話でアナタのお父さんをさして「おやっさん」ということはある。

そのおとやんは「為せば成る」という言葉が好きだった。トントンと思いだせないが、「一を聞いて十を知れ」「聞くは一時の恥 聞かぬは一生の恥」「黙って見て学べ」「面倒くさいということは何もない(言い訳だ コツコツやれ)」というようなことは、日常の口癖のように言ったものだ。

確かに、自分の日常の暮らしのなかで、数々の不可能を知恵と工夫で可能にしてきた人であったかもしれない。


手紙が引き出しの中に残ってた。

手紙1
手紙

荷物を送ります
柿はすぐ赤くなるので早くたべなさい
落花生はいってあります
芋は小さくくだいて入れましたので おばさんに早く料理につかってください
洗ふのは面倒ですがわけを言って下さい
今日は本当に寒かったので こんな日が毎日と思います
風邪をひかないようにして下さい

手紙2
手紙

今日26日小包を送ります
寒くなるまでにストーブを買いなさい
着るものは高い様で安い物ですからほしいと思ったら買ふ事
食べることも大事なので おいしいものは食べなさい
タバコ等はお金はわずかですが
なるだけ いや ぜったいと言いたいが まあ ほどゝゞにしなさい
小包の中の「のり」は下宿のおばさんに出して下さい
学校はサボらずに さようなら


父は荷物を送ってくれるたびに
いつも手紙を添えていた

鉛筆書きで
最後に何度も
さようなら
と書いたのだ

いつかはゆっくり
一緒に呑みたい

多くの人がいうように
わたしもそう思ったものだが

叶わぬままであった

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