こぼれ落ちる一年の垢 (裏窓から)─ 立冬篇

┏┏┏┏      巻頭

立冬を迎えたすぐあとの9日未明、東京では木枯らし1号が吹いたとニュースが報じており、なるほど、風の強い寒い日でありました

海に出て木枯帰るところなし 山口誓子

当県で暮らした経験がある山口誓子だからこそ生まれた句でしょうね、伊勢平野で暮らす人たちならば、冷たく強い北風の凄まじさは容易に思い浮かぶことと思います

内田百閒が次のような句を詠んでおり、これも凍えるような寒さが伝わります

汽車道と国道と並ぶ寒さ哉  内田百鬼園

今でも私は汽車道という言葉を好んで使います

JR通勤はディーゼルカーで、電車ではないから…みたいな理屈っぽいことを言うつもりはありませんが、小学校の高学年ころまでは暮らしの中に煙を上げて走る汽車がいました

汽車道というのは、冬枯れの田んぼの中を突っ切っていまして、案外と駅までの近道であることが多くて重宝するのですが、百閒は汽車から国道を歩く人を窓越しに見ていたのでしょうか

今の季節は、ふだん利用するJRの車窓からは遠くに青山高原の風力発電が見えて、間近には枯れ色の大豆の畑が広がっています

次にこれを書くのは12月です 早いものですね、暮れてゆくのは

┏┏┏┏      あとがき

巻頭を書きながら、容赦なく伊勢平野を吹き荒れる木枯らしのことを思い浮かべていましたら、やっぱし、おでんが食べたくなってきました

今年は気候不順の影響で野菜が高いようです

大根と白菜は農家では欠かせない冬の野菜ですが、農業の盛んな県であってもどこの家庭でも裏に畑があって野菜が収穫できる訳ではないですから、スーパーマーケットの地産地消コーナーを覗いてお鍋の献立を考える日が続きましょうか

11月中旬をまわるとトントン拍子に寒くなってきます

毎年口癖のように「今年の秋は短かったなあ」って呟きながら年の瀬を迎えます

ほどけゆく手紙の中の焚火かな  西原天気

木枯らしが一休みする穏やかな日には、師走のあわただしさを迎える前に、ちょっと部屋の片付けでもしようかな、という人もあるかもしれません

年賀状の準備もして不用になった小物を整理して…

ほろりと出てきた写真や手紙などひたひたと読み耽ってしまうのも秋の暮れです

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中