父の最期の言葉

父の最期の言葉

二十年前の大寒の二、三日後に父は亡くなっている

残された母の話によると
亡くなる日の二三日前には
既に意識がぼーっとしてたらしい

ビールが飲みたいと言うのであるが
こんな状態で飲ましてはならんと思い
お茶をやったという

「ビールと違うやないか、まずいなあ」

言うてやったわ
と あのときを母は回想している

それが父の最期の言葉であったことになる

2018年1月29日 (月曜日)
増殖する(秘)伝